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6月12日の 「ロシアの日」向けレセプション でのM.ガルージン駐日ロシア大使よりスピーチ

 

 

ロシアの日記念

レセプションでのスピーチ

2022年6月9日

 

閣下、紳士淑女の皆様!

尊敬するご来賓の皆様!

親愛なる友人の皆様!

親愛なる同胞の皆様!

本日は、我が国のナショナルデーである「ロシアの日」を一緒に祝うためにご参集くださり、心より歓迎申し上げます。誠にありがとうございます。

2022年6月12日、ロシア連邦の国家主権宣言の採択より32周年を迎えます。こんにちのロシアは、安定した政治体制と強い経済と独立した外交政策を持ち、国益をしっかりと守ることができる近代国家であります。

このような真に強いロシアが世界に存在することは、決して、歓迎していないものも存在していることは明らかです。西側諸国は、ウクライナにおけるロシアの特別軍事作戦を口実として、前代未聞の反ロ・キャンペーンを展開しており、その手法と規模において、冷戦時代の対立さえも超える勢いとなっています。

 

このような時こそ、政治情勢にかかわらず、信義を貫いてくださる真の友人の皆様と、こうしてロシアの日を祝賀できることは、私たちにとりまして、特に重要なことであります。この度のロシアの行動は、やむを得ない、かつ避けられないものであったと理解を示してくださり、心から感謝申し上げます。ウクライナにおける特別軍事作戦を開始した理由は、8年間もの間、虐殺を受けてきたドンバスのロシア語話者の住民を擁護し、ウクライナ領土から発せられる、ロシア連邦の国家安全保障を脅かす極めて深刻かつ直接的な脅威を排除することでありました。つまり、ウクライナをNATOに引き込み、西側諸国の武器をウクライナに供給していること、そして、西側諸国の黙認のもと、「反ロ」のスローガンを掲げて、明らかな非人間的ナチス政権をウクライナに形成するという行為が原因でありました。このようにして、ロシアは、特別軍事作戦を通して、国連憲章に謳われている自衛権を行使し、ウクライナ政権がもともとの自国民に対して行った戦争を終結させようと尽力しております。特別軍事作戦の目的は、ウクライナの非軍事化と非ナチ化であり、ロシア語話者の住民の権利回復、さらに、ウクライナの非同盟・中立の地位のことであります。我々は、わが軍の将校・兵士の勇気と英雄精神に感銘しております。作戦のすべての目的は必ず達成されます。

ロシアに対して開始されたハイブリッド総力戦は、西側諸国の狙いがウクライナの主権と領土保全の維持でないことを示しました。ウクライナは、ロシア牽制ための道具に過ぎず、NATOの手中にある消耗材のような存在となっています。現代史に前例のない不法な制裁も、ロシア連邦の発展を妨げる試みと捉えることができます。

日本政府が、このような近視眼的で破壊的な路線に加わると決定されたことに、困惑と遺憾の念を抱きました。これまで、ロシアのプーチン大統領と安倍首相との間で結ばれた大々的な合意の実現により、二国間関係の構築にとって、重要でポジティブな成果が多数達成されました。その輝かしい例として、次のような大規模な共同事業を挙げることができます。

2018年‐2019年の「露日交流年」、安全保障問題に関する深い対話、相互貿易の増加、「アークティックLNG2」を含む大型プロジェクトなどであります。

しかし、日本の現政権は、アメリカの反ロ路線を優先し、長年蓄積された貴重な協力の財産を崩し始め、これまでの努力を実質的に帳消しにしてしまいました。

このような政策は、ロシア側からの対応措置なしではありえません。それは、対象国にとって極めてセンシティブな措置となります。日本が米国に追順し、展開している制裁の圧力は、ロシアの政策を変えることができないだけでなく、何と言っても、日本国民自身に悪影響を及ぼします。至る所で、エネルギー資源や食料の価格の上昇や、従来の生産・物流チェーンの破綻などが見受けられます。

前例のないアグレッシブな圧力と複雑な世界情勢に直面しながらも、わが国の経済は安定性を見せています。為替・金融市場は安定しており、生産の急激な低下や失業の増加はありません。経済の構造的な適応と輸入の段階的な方向転換が実施されており、最近では、輸入の増加が見られます。

こうした成果は、責任あるマクロ経済政策と、経済の主権と技術・食糧安全保障の強化に関する政府の体系的な決定により、達成されたものです。ロシアには、いかなる外圧をも見事に克服できる力があると確信しています。また、真に独立した信頼できる海外のパートナーも多く、こうしたパートナーとの協力は私たちを大きくサポートしてくれています。

ロシアを「廃絶」しようとする動きの中で、私たちは今、日常生活でさまざまな困難に直面している同胞の権利保護に、一層力を注いでいます。今後も、ロシア国民に対するあらゆる差別の兆候に対しては、持てるすべての資源を使って、断固対応していきます。不当な行為やロシアへの誹謗中傷に対しては、力を合わせて立ち向かうことが大切です。これからも、ロシアの立場の正当性をソーシャルネットワークやブログなどを含め、積極的に守っていかなければなりません。このような取り組みは、全面的に支持してまいります。

私たちは、日本との現実的で、対等な、そして互恵的な協力のための空間を維持しています。そのための大きなポテンシャルがあります。日本へのエネルギー資源の安定供給にロシアが大きな役割を果たしていることを思い起こしていただくだけでも、そのポテンシャルをご理解いただけると思います。しかし、今後、二国間関係がどのような方向に進むのか、悪化するのか、それとも修正されるのか、それは今や、日本政府の判断次第であります。

多様な日本社会には、良識的で、ロシアに対して好意的な態度を示してくださる方々が多くいらっしゃることも存じ上げております。こうした方々は、露日を分断する日本政府の政策の誤りを認識されており、盲目的にアメリカの言い分に従うことなく、日本の利益のために、国益を中心にしていきたいと考えておられます。両国民の繁栄のために、建設的、創造的な協力を目指す友好的な市民や組織との協力を継続していきたいと思っております。

その意味から、マティツィン・ロシア連邦スポーツ大臣の名において、我が国の大切な友人であり、ロシア大統領杯サンボ大会実行委員会委員長の浅井信幸様に対し、体育・スポーツの発展に多大な貢献をなされていることに、感謝の意を表明させていただくことは、格別に嬉しく、光栄であります。ご存知の通り、浅井様は、スポーツ交流を通じて、両国民の善隣関係、相互理解、信頼、友好関係の強化に、全身全霊で尽くしてくださっています。浅井様、モスクワから感謝状が届きましたので、この場で授与させていただきたいと思います。どうぞ前方へお越しください。尊敬するご来賓の皆様、ご静聴ありがとうございました!